Binanceは、世界最大クラスの取引量をほこる中国の仮想通貨取引所です。
公式Webサイトが日本語に対応しており日本人でも利用しやすいですが、そもそも海外の仮想通貨取引所を日本人が利用して良いのか、不安なかたもいるでしょう。
この記事では、日本人はBinanceに口座開設できるかどうか、Binanceへの日本人登録の違法性とリスクについて紹介します。
日本人はBinanceに口座開設できる?
Binanceは2017年に中国で設立した仮想通貨取引所で、サービス開始から半年で600万人の利用者を獲得し、その中には日本人も多く含まれています。
つまり、Binanceではすでに多くの日本人が口座開設し、トレードを問題なく行っています。
口座開設はメールアドレスとパスワードの設定のみで完了し、むしろ国内の仮想通貨取引所よりもスピーディーに口座開設できます。
Binanceのメリットは多くありますが、特に取り扱う仮想通貨の種類が数百種類以上と、とても豊富なため人気です。
国内の仮想通貨取引所では、多いところでも20種類以下の仮想通貨しか取り扱えないため、その差はとても大きいです。
Binanceを日本人が利用すると罰則はある?
Binanceは日本の金融庁に登録された業者ではないため、日本人が利用すると罰則があるのではないかと心配なかたがいたら、それは杞憂です。
登録されていない業者に禁止されているのは、金融商品取引法に基づく金融商品の勧誘です。
例えば、Binanceが電話など何らかの手段で仮想通貨取引の勧誘行為を行った場合は、処罰の対象となる可能性がありますが、これはBinance側に対する処罰です。
Binanceの公式Webサイトを見ると、日本語で勧誘しているような表現がありますが、これは建前としては海外在住の日本人に対しての勧誘、ということになっているため、許可されているようです。
いずれにせよ、日本在住者が自分の自由意志でBinanceの公式Webサイトにアクセスし、自分の意思で口座開設し、トレードする分には違法性はありません。
金融庁も、あくまで自己責任でトレードを行うのであれば、日本居住者がBinanceなど海外の仮想通貨取引所を利用するのは問題ないと判断しています。
Binanceの口座開設
Binanceの口座開設は、メールアドレスがあれば可能です。
電話番号による登録もありますが、日本の電話番号であることを示す「+81」の国番号ではじまる電話番号は、現在は選択不可となっています。
メールアドレスとパスワードを選択した後、登録したメールアドレス宛にメールが届きますが、日本語の文面のため、安心です。
登録後、Binanceでトレードでき、原則として取引制限されている通貨はありません。
Binanceへの日本人登録の違法性とリスク
厳密に言うと、日本人(日本居住者)は、日本の金融庁が仮想通貨交換業者として登録した仮想通貨取引所以外では、仮想通貨の取引ができません。
そう考えると、Binanceは海外の仮想通貨取引所で、金融庁に登録されていないため、日本人は利用できないということになります。
ところが、現在では上記のように自己責任で行うのであれば、違法性はないということになっています。
Binanceへの日本人登録の制限
しかし、過去にはBinanceで日本人の新規口座開設が制限されるなどの措置がとられたことがあり、今後も日本人登録の違法性に関してはグレーゾーンだとも考えられます。
実際、2018年3月にBinanceは日本の金融庁から警告を受けた経緯があります。
これは、日経新聞電子版が、Binanceが金融庁に未登録のまま営業をしていることを記事にしたことが発端となりました。
その後、Binanceに対して金融庁からの警告が入り、公式Webサイトも日本語表記対応がなくなりました。
しばらくは、取引が制限されたり新規口座開設が制限されたりと、日本人ユーザーにとっては使いにくい状態が続きましたが、2020年6月よりBinanceの日本語表記が復活し、その状態が1年以上継続しています。
何かトラブルがあった際にも、24時間365日のサポートがあるため、安心です。
Binanceで今後想定されるリスク
今後想定されるリスクとしては、金融庁の方針や解釈が変わる可能性、中国当局が規制を強める可能性などが考えられます。
金融庁の仮想通貨や取引所に対する解釈は、過去にも様々に変化し、傾向としてBinanceのように日本人が多く利用している取引所を名指しで非難することがあります。
中国当局からの規制は、2021年に入ってマイニング施設に対する規制が強まっています。
さらに、中国の大手検索サイトのバイドゥ(百度)や大手SNSのウェイボ(微博)で、Binanceなどの仮想通貨取引所の名称が検索できなくなりました。
また、Binanceそのもののリスクもあります。
Binanceは、2019年5月にハッキングを受け、資産の2%に相当する7,000BTC(約45.5億円)が流出しました。
この被害額に関しては、保険金ファンドSAFUによって賄われたためユーザーの被害はありませんでしたが、同様の被害がないとは言い切れません。
Binanceのレバレッジや、仮想通貨の数の多さがリスクになることもあります。
国内の仮想通貨取引所ではレバレッジは2倍までに規制されているのに対し、Binanceは最大125倍と、桁が違います。
また、数百種類以上の仮想通貨の中には価値のない草コインも多く含まれています。
Binanceは、日本円で出金できないことも理解しておきましょう。
入金はクレジットカード等を利用して日本円を使うことができますが、Binanceで利益を得ても、その利益分を日本円として直接手にすることができません。
国内の仮想通貨取引所やウォレットに、仮想通貨のまま送付を行い、改めて日本円に換金する手間が必要です。
まとめ
日本人はBinanceに口座開設できるかどうか、Binanceへの日本人登録の違法性とリスクについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 日本在住者がBinanceに口座開設することは法的に問題なし
- Binanceの公式Webサイトは日本語対応しており、ほとんどのサービスを日本語で利用できる
- 過去、Binanceに対し金融庁から警告が出たことがある
Binanceは、海外の仮想通貨取引所ですが、日本人が口座開設が可能な上、トレードしてもなんら問題ありません。
過去、Binanceに対して日本の金融庁から警告が出たことがあるため日本人が口座開設する行為は違法なのでは、と思うかたもいるでしょうが、現時点での解釈では違法性はありません。
ただし、Binanceはレバレッジが最大125倍あること、仮想通貨の取扱数がとても多いこと、日本円で出金できないことなど、様々なリスクや注意点があります。