仮想通貨の中には、本来の価値以上に大きな価値を持つものもあり、開発当初は草コインの代表とも言われたドージコイン(Doge)もその一つです。
そのドージコインは、2021年に入り時価総額ランキングのトップ10入りを果たし、にわかに注目を集めています。
この記事では、ドージコインのしくみと特徴、主なリスク、ドージコインを取引できる取引所を紹介します。
ドージコイン(Doge)のしくみと特徴、主なリスク
ドージコインは、2013年12月に世界最大級の画像掲示板「4chan」で誕生した、柴犬をモチーフにした仮想通貨です。
実は、ドージコインはパロディとしてつくられ、日本人にもなじみの深いモナーコインと同様、誕生当初は活用方法や開発計画があいまいなままに誕生したという経緯があります。
ところが、このドージコインが開発や改良を重ね、多くの草コインが無価値になる中で、今なお価値を持ち続けている背景には、強いコミュニティの存在があります。
先ほど挙げたモナーコインにも「投げ銭」と呼ばれる行為があり、配信や意見などに対する寄付が行われました。
モナーコインは日本人が中心のコミュニティを形成していますが、ドージコインはアメリカを中心により広い英語圏のコミュニティがあり、投げ銭と同様の寄付行為が行われています。
その一例が、2104年のソチオリンピックの際、ジャマイカのボブスレーチームが大会に出場するための資金集めとして活用され、1日で3万米ドル相当の寄付が集まりました。
ドージコインは、ライトコインと同じスクリプトが使用され、しかもライトコインよりも数倍早い約1分でブロックが生成されるのが特徴です。
また、ドージコインは発行上限枚数が設定されていません。
通常、発行上限がない仮想通貨は希少価値を出しづらいため価値がどんどん下がっていく傾向にありますが、ドージコインは過去に何度も価値の高騰と急落を繰り返しています。
まず、2017年の仮想通貨ブームですが、この時は他の仮想通貨と同様に価値がどんどん上昇した後、一気に75%の下落を経験しました。
その後わずかに価値を回復し、2018年9月にイーサリアムとの接続テストを行った際には数日で2倍近くも価値を上昇させました。
しばらくは他のアルトコインと同様に価値が低迷していたドージコインでしたが、2021年に入り、その価値を急騰させ、仮想通貨の時価総額ランキングでトップ10入りするほどになりました。
そのきっかけとなったのは、2021年1月のゲームストップ株騒動です。
これは、ロビンフッダーと呼ばれる一部の個人投資家が、ゲームソフト会社のゲームストップなど一部の銘柄を買い占め、株価を急騰させたことを発端に起こりました。
これをきっかけに大手ヘッジファンドなどの機関投資家が大きな損失を被り、金融市場に大きな混乱をもたらしました。
その状況を見て、アメリカの人気掲示板「レディット」のコミュニティ「WSB」がドージコインに着目したことで、ドージコインの価値は一気に10倍以上になりました。
さらに、テスラ社のCEOイーロン・マスク氏がツイッターにドージコインの良さをツイートしたことにより、価格の急騰に拍車がかかりました。
元々、イーロン・マスク氏はドージコインのファンで、自らを「Dogefather」と名乗っていました。
このように、ドージコインは強いコミュニティに支えられ、その中にはイーロン・マスク氏のように世界的な富豪も含まれているため、彼らに後押しされて価値を高めています。
このことが今の急激な価値の高騰につながっている反面、大きなリスクも抱えています。
まず、掲示板やツイートにより価値が上がっているということは、裏を返せばなんらかのネガティブな情報が流れるだけで価値が下落する可能性もあることを意味します。
そうなると、ドージコインの長期保有者は利確のためにドージコインを売りに出すため、価値がさらに急落することも考えられます。
また、発行上限枚数に制限がないことも、懸念材料です。
他の仮想通貨の中には、バーンにより仮想通貨の流通量を減らし、価値を保っていることもありますが、ドージコインはそのしくみがありません。
そのため、ドージコインの価値が急上昇しているからと言って、安易に購入する前にリスクがあることもふまえて取引を検討することが大切です。
ドージコイン(Doge)を取引できる取引所
ドージコインは、国内の取引所では取引できません。
そのため、海外の取引所を利用する他ありません。
海外の取引所で日本語に対応し、ドージコインを取引できるのは、バイナンスのみです(2021年5月現在)。
フォビやクラーケンなどの取引所もドージコインを取り扱っていますが、日本語版のWebサイトでは取引できないようになっているため、英語の取引が不安なかたはバイナンスがおすすめです。
バイナンスは、2017年に香港で誕生した仮想通貨取引所で、世界トップクラスのユーザー数、および取引量をほこります。
一時、日本人向けのサービスを制限していたことがありましたが、2021年5月現在では新規口座開設や取引が問題なくできます。
取り扱う仮想通貨の種類も豊富で、取引手数料も安いため、多くの日本人が利用しています。
バイナンスでは、ドージコインをクレジットカードで購入することが可能です。
そのため、仮想通貨の取引が苦手なかたでも、簡単にドージコインを入手できるメリットがあります。
購入したドージコインは、そのままバイナンスに保管し取引に利用できる他、ドージコインを取り扱っている他の海外取引所に送ることも可能です。
まとめ
ドージコインのしくみと特徴、主なリスク、ドージコインを取引できる取引所について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- ドージコインは画像掲示板4chanで誕生した仮想通貨
- イーロン・マスク氏のツイートなどの影響により、ドージコインの価値は2021年に入って急騰している
- ドージコインの取引はバイナンスがおすすめ
柴犬をモチーフとしたドージコインは、画像掲示板4chanで誕生した仮想通貨で、当初は草コインの代表と目されていました。
ところが、ドージコインは2021年に入り価値を急騰させ、仮想通貨の時価総額ランキングでもトップ10入りを果たす躍進を見せています。
その理由は、ドージコイン本来の価値と言うよりも、強固なコミュニティの存在の側面が強く、その代表がテスラ社のCEOイーロン・マスク氏です。
イーロン・マスク氏のツイートなどにより価値を高めているドージコインですが、それはいつ急落しても不思議ではないことも意味しているため、注意が必要です。
ドージコインを取り扱う仮想通貨取引所は国内には存在しないため、日本語に対応し、ドージコインをクレジットカードで購入することも可能なバイナンスが、一番おすすめの取引所です。