スナップショットという言葉には、写真の早撮りや日常の写真を撮ること、パソコンやスマホ等の端末の画像を保存することなどの意味がありますが、仮想通貨のスナップショットはそれらとは意味が違います。
仮想通貨のスナップショットは、株式分割の権利取りに似たしくみですが、厳密に言うと異なります。
この記事では、仮想通貨のXEMを例に仮想通貨のスナップショットとは?について見ていきます。
仮想通貨のスナップショットとは?
- ある仮想通貨の特定の時点における仮想環境を他の媒体にバックアップすること
より具体的には、その仮想通貨のファイルデータ・ソースコード・ディレクトリ・データベースファイルなどの状態を抜き出し保存することにより、以前の環境に戻したり、トラブルの原因を探ったりすることが可能となります。
この仮想通貨のスナップショットは、新たな仮想通貨がローンチされる際に用いられます。
2021年3月12日にスナップショットが行われた仮想通貨、XEM(ネム)を例に説明します。
XEMは、新たな仮想通貨XYM(ジム)を誕生させるためにSymbolと呼ばれるプロジェクトを立ち上げ、ローンチを開始しました。
このローンチに参加できた条件は、スナップショット時点でXEMを100XEM以上保有することで、XEMと同数のXYMを得る権利が付与されました。
XEMのスナップショットは、XEMのブロック高が3,105,500となった2021年3月12日9時50分ごろに実施されました。
その前後の期間において、XEMの価格は大きく乱高下し、XEMの取引を制限する取引所もありました。
XEMのスナップショット後、Symbolのプロジェクトは成功し、2021年3月15日に新しい仮想通貨XYMは誕生しました。
XYMは、海外の取引所の他、国内ではZaifが取り扱っています。
Symbolにおいては、XEMの過去のブロックチェーンは使用せず新しいブロックを一から構築したため、ビットコインからビットコインキャッシュが誕生したようなハードフォークとは異なりました。
スナップショット後に、XEMの価格は2021年3月初旬のピーク時より4分の1以下まで下落しています。
これは、XEMのスナップショットが終わった時点で、Symbolに参加する権利を得たことにより、XEMを売却する投資家が多かったためと考えられます。
まとめ
仮想通貨のスナップショットとは?について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 仮想通貨のスナップショットとは、仮想通貨の環境をバックアップしておくこと
- 仮想通貨のスナップショットは新たな仮想通貨のローンチ時に用いられる
- 仮想通貨XEMから新しい仮想通貨XYMが誕生するプロジェクトSymbolにおいてスナップショットが行われている
仮想通貨のスナップショットは、株式分割の権利取りと似ており、特定の時点における仮想通貨の環境をバックアップすることを意味します。
仮想通貨XEMのプロジェクトSymbolを例に取ると、新しい仮想通貨XYMを誕生させるため、ある時点でスナップショットを行い、新仮想通貨を得る権利を付与しています。
スナップショットを利用して稼ぐ場合は、早めに情報をキャッチし、取引制限が実施される前にスナップショットが行われる仮想通貨を保有し、スナップショット完了まで売却しないことが大事です。