仮想通貨を語る上で、ビットコインは欠かせない存在です。
ビットコイン以外の仮想通貨は、アルトコイン、つまりその他のコインに分類されます。
この記事では、ビットコインのしくみと特徴、主なリスク、ビットコインを取引できる取引所について紹介します。
ビットコインの仕組みと特徴、主なリスク
ビットコインは、2008年に「サトシ・ナカモト」という人物が発表した論文をもとに、2009年より運用開始された、最初の仮想通貨です。
日本では2014年より人気が高まりはじめました。
ビットコインは、法定通貨や有価証券などの金融資産とは異なり、デジタル上にのみ存在します。
政府やなんらかの機関が発行する物ではなく、ブロックチェーンと呼ばれる誰にでも閲覧可能な台帳でできています。
このブロックチェーンのしくみは、後に登場する多くのアルトコインでも用いられています。
ビットコインの決済は、銀行決済や電子マネー、クレジットカードなどとは根本的に異なり、秘密鍵と公開鍵の2種類のアドレスにより行われます。
送金のしくみは、まず公開鍵に送金リクエストを送ります。
すると、その公開鍵の情報は、世界中のネットワークにつながり、そのリクエストが正しいかを検証する作業が行われます。
この検証作業は、参加者が競争して行い、競争に勝った一人にのみ報酬が支払われます。
このしくみはマイニングと呼ばれ、ビットコインのマイニングは約10分に1回行われます。
このマイニングによってビットコインが新規に発行されますが、ビットコインの発行上限は2,100万枚と決まっており、すでに約1,866万枚が発行済みです。
マイニングで得ることができる報酬は4年ごとに半減され、これを半減期と呼びます。
半減期にはビットコインの希少価値が高まるなどの理由により、ビットコインの価格が高騰することが多いです。
ビットコインのマイニングは、開発当初は家庭用のパソコンでもできる程度の内容でしたが、ビットコインの人気が高まるにつれ、超高性能なパソコン複数台と膨大な電力および冷却施設が必要となり、高コストや環境面の問題を抱えています。
ビットコインは、他の決済手段と比較すると、格安の手数料ですみます。
特に、海外送金においては、はるかに安くできる可能性が高いです。
ビットコイン取引において、不正送金やデータ改ざん、破綻などは考えにくいですが、それに近いリスクは抱えています。
日本でビットコインが知られはじめた2014年に起こった「マウントゴックス事件」で、ビットコインにマイナスの感情を抱く人が増えました。
この事件は、マウントゴックス社のサーバーがハッキングされた結果、約10万BTCが流出し、横領の容疑で社長の逮捕にまで発展しました。
その後マウントゴックス社は破綻し、民事再生手続きに入りました。
ここで勘違いしてはいけないのが、マウントゴックス事件は会社もしくは社長の側の問題で破綻したのであり、ビットコインそのものには問題がなかったということです。
マウントゴックス社のセキュリティシステムの甘さや管理のずさんさなどが主な原因でしたが、世間ではビットコインそのものにリスクがあると捉えられ、仮想通貨市場全体に怪しいとのイメージをもたらしました。
また、闇サイト「シルクロード」(現在は使用不可能)において、唯一の決算手段にビットコインが用いられたという事実もあります。
シルクロードでは、マリファナなどの違法薬物や銃器・流出したクレジットカードなど、一般の市場では販売できない違法な物の売買が行われていました。
これは、ビットコインの匿名性の高さが悪用されたケースでした。
さらに、ビットコインは取引量が膨大になることにより、送金手続きが大幅に遅延する「スケーラビリティ問題」が発生することがあります。
ビットコインが一気に流行した2017年のピーク時には、最大で18万件もの取引が遅延し、送金完了まで1週間程度を要するケースが相次ぎました。
さらに、数円から数十円程度ですんでいた送金手数料が、数千円程度にまで跳ね上がることもありました。
この原因は、ビットコインのブロックチェーンのブロックサイズが1MBしかなく、取引量が増大すると容量不足に陥るためです。
ビットコインを取引できる取引所
ビットコインは、国内はもちろんですが、世界中ほぼ全ての仮想通貨取引所で取り扱われています。
ただし、取引の方法は、取引所ごとに異なります。
国内の仮想通貨取引所は、一時期は規模を問わず数が急増しましたが、法改正や規制の強化等により、その多くが姿を消しました。
古くからビットコインの売買を行っている、bitFlyerやzaif・コインチェックなどは比較的安心できます。
その他、DMMやGMO・SBIなどの金融系大手企業も仮想通貨取引所に参入しています。
大手のため経営破綻する心配が少なく、サポート体制にも信頼が持てるため、これらの取引所でビットコインを取引すると安心でしょう。
海外の仮想通貨取引所では、国内では取り扱っていない多様な仮想通貨の取引が可能なところがあります。
その多くは日本円が利用できないため、例えば国内の取引所でビットコインを購入し、そのビットコインを海外の取引所に送金することにより、取引します。
ビットコインは、ただ売買するだけが最も簡単で、はじめて取引するかたにはおすすめですが、手数料が高いのが欠点です。
板情報を用いてビットコイン取引をすると、約定させるには相場を読み解く能力が必要となりますが、安い手数料でよりお得に取引できます。
国内の取引所でも、板情報を利用できるところは多くあります。
その他にも、ビットコインと日本円などの法定通貨や、ビットコインと他の仮想通貨の証拠金取引ができる取引所もあるため、FXの経験があるかたには適しています。
まとめ
ビットコインの仕組みと特徴、主なリスク、ビットコインを取引できる取引所について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- ビットコインは最初に登場した仮想通貨
- ブロックチェーンという技術により取引や決済が容易になる
- ットコインは世界中ほとんどの取引所で取り扱う
ビットコインは、2008年にサトシ・ナカモト氏が発表した論文をもとにつくられた、最初の仮想通貨です。
ビットコインのしくみは、従来の中央集権的な機関が発行する通貨などとは根本的に異なり、管理者がいない通貨です。
ビットコインは、ブロックチェーンと呼ばれる、過去の取引を全て記載した台帳のつながりで構成されています。
ビットコイン取引は安全で匿名性が高く、手数料も安い特徴があります。
その反面、取引所のハッキングやビットコインが犯罪行為に使われやすいなど、いくつかのリスクも抱えています。
ビットコインは、国内外のほとんどの取引所で利用できますが、取引所ごとに取引方法が異なるため、注意しましょう。
FXの経験があるかたには適しています。