リップル(XRP)は、仮想通貨時価総額ランキングでトップ3入りをしたこともある仮想通貨です。
国際決済システムの課題を解決するために開発され、SBI会長の北尾吉孝氏がリップル社の取締役に就任したことでも有名です。
この記事では、リップル(XRP)のしくみと特徴、主なリスク、リップルを取引できる取引所について説明します。
リップル(XRP)の仕組みと特徴、主なリスク
リップルの開発は2004年にまで遡り、アメリカのリップル社が国際送金の手数料が高い、時間がかかるといった課題を解決することを目的としていましたが、当初は仮想通貨ではありませんでした。
その後、2011年にリップルのマイニングアルゴリズムが開発され、2012年から仮想通貨として発行されました。
リップルは、総発行枚数が1,000億枚で、すでに全て発行されているため、マイニング等の方法では手に入れることができません。
リップル社が管理する中央集権型の通貨
リップルが他の仮想通貨と大きく異なるのは、アメリカのサンフランシスコに拠点を置くリップル社がリップルの管理・運営を行っていることです。
これは、仮想通貨が目指す非中央集権化の流れとは逆行していますが、リップルが決済システムの代用として機能するためには中央集権型の方が都合が良いとの判断があるためです。
また、リップルは独自の分散型台帳管理システムを用いているため、ブロックチェーンは使用していません。
リップルを利用できるのは、リップルの送金システムに対応した金融機関のみのため、リップルに対応していない金融機関では利用できないという欠点があります。
しかし、すでにリップルは世界各国の大手金融機関と提携しており、将来性が見込まれています。
2021年4月現在、300以上の金融機関が参加し、さらに増え続ける可能性が高いです。
日本国内でリップルと提携している金融機関
国内では、みずほ銀行や三菱UFJ銀行の他、SBIホールディングスが提携していることで有名です。
SBIは、2016年にはリップルをはじめとした仮想通貨のアジアでの普及をはかる目的で、SBI Ripple Asiaを設立しています。
リップルの送金のしくみ
リップルの送金のしくみは、プルーフ・オブ・コンセンサスと呼ばれる承認システムにあります。
リップルの送金データは、リップル社のサーバーで行われ、バリデーターと呼ばれる承認者の80%以上が承認した場合に取引が成立します。
このしくみは、ビットコインなどと異なり銀行などの金融機関に近いですが、低コストで環境の負荷が少ないという特徴があります。
リップルの送金時間は約3秒程度で処理され、ビットコインの約10分と比較すると、とても高速なことがわかります。
リップル社が管理しているため不公平という意見もありますが、ビットコインなども大手のマイニング業者が利益を占有している現状もあることから、リップルのみが不公平というわけではありません。
リップルのリスク
リップルのリスクとして考えられるのが、リップルよりも便利な国際決済システムの登場です。
その一つがSWIFTで、すでに決済方法として採用されているため、リップルにとってはライバル関係にあります。
もう一つのリスクが、リップルの特徴が有価証券とそっくりなことです。
2020年12月に、米SECがリップル社を提訴しました。
提訴の理由は、米リップル社のリップル販売方法に関し、有価証券の違法な販売に当たると判断したためです。
SECが提訴にふみきった理由は、リップルがビットコインやイーサリアムなどと異なり、リップル社が大半を保有することにあるためと考えられます。
争点は、リップルが有価証券にあたるか否かですが、リップル社は「リップルは有価証券ではない」、と主張しています。
まだ判決は出ていませんが、提訴以降リップルの取り扱いを中止する大手取引所もあり、価格が3分の1程度まで急落した時期もありました。
最悪の場合、リップルが仮想通貨市場から消える可能性もあります。
しかしながら、2021年4月現在でリップルの価値は急騰しており、リップルに付随したサービスも続々と開発されています。
これにより、リップルの国際決済システムに特化した機能しかもたないという欠点が克服され、投資分野、オープンソール共同開発、リップル貸し付けサービスなど多様な用途が生まれています。
現に、多くの仮想通貨が実用化が遅れていたり、めどが立っていなかったりするなかで、リップルはすでに世界中の金融機関が参加していることからも、リップルが消える可能性は低いでしょう。
逆に、SECがリップルを有価証券と認定し、リップル社がリップルを有価証券として登録した場合には、価値は存続するかもしれませんが、仮想通貨とは言えなくなるでしょう。
リップル(XRP)を取引できる取引所
リップルは、国内多くの仮想通貨取引所で取引できます。
その中でも、よく利用されている大手の取引所を中心に紹介します。
コインチェック
簡単にリップルを購入でき、管理も簡単なコインチェックは、仮想通貨初心者にもおすすめの取引所です。
手数料が無料で購入でき、スマホアプリがとても利用しやすいため、利用者が多いです。
ただし、販売所形式でリップルを購入することになるため、高めの料金設定となっています。
購入したリップルは、コインチェックの貸仮想通貨サービスを利用することにより、契約期間満了後に一定の利用料をプラスした金額が返ってきます。
コインチェックが過去、NEM流出事件を起こし、取引所としての信頼性に疑問をもつかたもいますが、現在はマネックスグループの傘下に入っており、信頼性は回復しています。
bitFlyer
国内最大手クラスの取引所、bitFlyerもおすすめです。
簡単にリップルが売買できますが、こちらも販売所形式のため、割高となります。
DMM Bitcoin
取引所形式でリップルの取引をするなら、DMM Bitcoinがおすすめです。
最大2倍のレバレッジ取引も可能なため、少ない資金で大きな利益をねらうことも可能です。
まとめ
リップル(XRP)のしくみと特徴、主なリスク、リップルを取引できる取引所について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- リップルは、アメリカのリップル社が発行する仮想通貨
- リップルは国際決済システムの課題を解消するために誕生した
- リップル独自の分散型台帳管理システムを用い、高速な処理が行われる
リップルは、アメリカのサンフランシスコにあるリップル社が管理・運営する仮想通貨で、他の仮想通貨とは異なり中央集権的な性質を持ちます。
リップルは高速な国際送金を実現することを目的としており、すでに世界300以上の金融機関が参加しています。
ただし、リップルは有価証券に当たるとして米SECがリップル社を提訴するなど、宇犯罪料もあります。
リップルは、国内多くの取引所で取引できます。